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今年のニュイ・デ・ミュゼ(夜の美術館の日)


こんにちは!

 

昨晩はニュイ・デ・ミュゼ(夜の美術館の日)でした。

1年に1度だけ、美術館・博物館が深夜0時まで門戸開放してくれる日。

夕食のあと、とっぷりと暮れた街の中を、美術館に向かえるうれしい夜なのです。

 

普段は、人が多すぎて イヤ、となかなか付き合ってもらえない美術館。

あきらめていたら、ナイト美術館は別物なのか、

お夕食のころ言い出したのはジュジュ。

 

12区の熱帯水族館とパレ・ド・ラ・ポルト・ドレに行くかい?

 

賛成!と言いながら、アペリティフ、お夕食と、

いつもどおりおしゃべりしながらやっていて、食後のコーヒーが夜10時に。

これから出たら着くのは11時ちかい。

やっぱり近場にしようか?

 

ということで、行先はアンヴァリッド(廃兵院)に変更。

ここはナポレオンのお墓でも有名だけど、

わたしはフランス王家の鎧兜が見たくなって出かけるのです。

 

軽い風が吹いていて、空も群青に澄んでいる。

マロニエ並木のところどころにしかない電灯が、

車ひとつ通らない街路をかすかに照らして、空には大きな星がひとつ光っていた。

北極星かしら?でも東の空だ・・・。

 

アンヴァリッドの前庭では、幾何学模様に植えられたツゲの、

とんがり帽子風に刈られた頭たちが真っ黒な影になって並んでいました。

そして、かつては馬車が通ったであろうでこぼこの石畳を、

建物に向かって不器用に歩いていく人たちが、あちらにもこちらにも。

昼と違うのは、みな少人数で、おしゃべりの声が控えめなこと。

ちょっと秘密めいたお出かけ気分が漂っています。

 

そして、アンヴァリッドの中庭に足を踏み入れた途端、ぎょっと足がすくみました。

 

 

 

 

そう、(個人的にはけっこう苦手な)ナポレオンの黒いシルエットが、

真正面にくっきりと浮かび上がっていたのです。

「ようこそ、わたしの館へ」とでも言っているようではありませんか。

 

昼はあたり全体が明るいので、

この彫像だけがこんなに目立って見えることはないのです。

 

ああ、気持ち悪かった・・・

 

 

 

この部屋は鉛の兵隊さんやお人形をコレクションする人たちにはたまらない場所。

 

大昔からの欧州民族の兵隊人形や、フランス王などが勢ぞろいしています。

 

手前の白い衣装をまとった大男は、

ロワールのシャンボール城などを築いたルネサンス期のフランス王、フランソワ1世。

その右後ろには、その子のアンリ2世。

その妃はカトリーヌ・ド・メディチ。ここにはいないけど。

 

 

またナポレオン!

ダヴィッドの絵でよく知られた、ノートルダム寺院での戴冠式(1804年12月2日)の

場面が、小さな芝居小屋を覗く感じで見られます。

 

 

下はダヴィッドの絵。(ルーヴル美術館所蔵)

 

 

 

 

ベビーベッドに寝ている子供をなぜか距離を保って見つめているナポレオン

(1811年3月20日)・・・ 前年、後継を産めないジョゼフィーヌを離縁して、

オーストリア皇女マリー・ルイーズと結婚、

この日めでたく後のナポレオン2世が誕生したのです。

 

それにしても、とっても精巧な作りの、なんとも素晴らしいドール・ハウス!

(と呼んでいいよね)

これはおとぎ話やからくり箱の世界で、とりこにされる人は多いよね。

わたしも大好き。

 

あら、王家のすばらしい鎧兜をお見せしようと思っていたのに、

カメラのメモリーがなぜかここでいっぱいに!

 

 

図らずも、苦手なナポレオンづくしになってしまいました・・・