かおっちゃん
今日もこちらは28度。平年の気温より10度も高いそうです。
薄いワンピースに素足という真夏の服装の女性たち、道行く人、
みなバシバシにサングラスをかけています。
そして、この暑さの中、桜の花が咲いているのを見ると、
なんとも奇妙な感じです。
今日は、オルセー美術館の「バルト3国のサンボリスム(象徴主義)展」で、
印象に残った絵をいくつかお送りしますね。
象徴主義と聞くと、詩人ボードレールや画家ギュスターヴ・モローなどが
頭に浮かびますが、バルトの芸術家はなじみがありません。
今回の展示は1890年から1920年頃、エストニア、ラトビア、リトアニアで活躍した象徴主義の画家の作品で、ほとんどがフランスで初めてのお披露目とのことです。
街のあちこちに貼られた展覧会ポスターの、
この少女の視線と絵の色合いに惹かれました。
そう、この舞い《鳥との舞踏》を見たとき、
反射的に思い浮かびました。
わたしたちにお馴染みのシーンにそっくりですから。
スピードには欠けますが、柔軟性ではいい勝負です。
前出のロマンの絵に色合いは近いのですが、
こちらの輪郭の強さ、色彩が明瞭なのも好きです。
展覧会のテーマは象徴主義なのだけど、わたしの選んだ絵は、偶然、
展示作品の中では色彩的にもっとも明るいもののいくつかになった気が
しないでもありません・・
でも、やはりこれがバルトなのでしょうか、
何かしら展示作品全体に共通する雰囲気があるように感じました。
いわゆる北欧でも、ロシアでも、
ましてフランス、ベルギーや英国ではまったくない、
半透明の不安が漂う、とでも言ったらいいでしょうか。
ロシアの支配から脱した後の混沌とした、複雑な時代背景をもつ作品群のようです。
素敵な本の挿絵(オードリー・ビアズリーを思い出させるものも)、
先ほどのウォルターの風景画、少女の裸体画など、
惹かれるものがいくつもありましたよ。
この展覧会がなければ、もしかしたら一生出会うことがなかったかもしれない
作品たちでした。
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