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ルーブルでプーさんに遭遇?


 

かおっちゃん、お元気ですか?

 

わたし最近、ルーブルで見覚えのある人物(?)に出会ったの。

このくまさんよ!

 

 

プーさん、いったいこんなところで何をしているのー?って

思っちゃうでしょ?

 

実はこのプーさん、

カリストという名の美しいニンフの変わり果てた姿らしいのです。

 

ギリシャ神話に、月の女神であり狩りの女神である処女神ディアーヌがいるでしょ。

カリストは、ディアーヌと行動を共にしているニンフのひとりで、

美貌で知られていた。

カリストという名前も「もっとも美しい」という意味らしいの。

 

ある日、ディアーヌに化けたジュピターに近づかれて、

カリストは身ごもってしまった。

ディアーヌは処女ではなくなったカリストを許さず、

カリストは森の中でひとりで息子アルカスを産み落とす。

 

 

ジュピターの奥さまのジュノンも事実を知って怒り、

美しいカリストをくまの姿にしてしまう。

 

 

その間、親切な人たちに拾われたアルカスは、

狩りのうまい立派な青年に成長する。

この絵は、くまさんカリストがジュピターに何とかして!と哀願している図。

 

ある日、森の中で、くまの姿のカリストは、

りりしく成長した息子アルカスの姿を見て、嬉しさのあまり駆け寄るのですが。

息子のアルカスは、それが自分の母親だとは知りません。

大きなくまが自分に向かってきたので、

とっさに弓をひこうとします!

 

それを天空から見たジュピターは、いたたまれず、

急いでカリスト熊を天へと救いあげました。

 

 

そうやって、カリストは空に輝やく大熊座になりました。

ジュピターは、息子のアルカスをも小熊座にして

そばにおいてあげましたとさ、というお話でした。

 

 

この版画、愛らしくてなんとも言えない魅力があると思わない?

16世紀中頃、シャンボール城を造ったフランソワ1世の時代のものらしいの。

 

プーさんはもっとも美しいニンフの化身で、

北極星とともに大きく一年中輝いている。

多くの星々の中でも、ひときわ強く輝やく光をはなって!

 

なかなか素敵なお話でもあります、よね?