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フランス杯!パション・パティナージュはファン以外も結びつける?

グルノーブル ケーブルカー
グルノーブル ケーブルカー

 

こんにちは、かおっちゃん!

 

グルノーブルまで来たからには、観光だってしなくては、でしょ!

 

知らない街を訪れると、わたしはまず街の歴史の中心であるカテドラルに直行するの。

そして登れるのならカテドラルの上まで登って、高手から街を一望!

そうすると、旅に出る前から睨んでいた地図が、立体的に眼下に広がって、

お天気がいいものなら、「おお、やってきたぞ。わたしはとうとうーーにいる!!」と

大感動する瞬間になるわけ。

 

グルノーブルには巨大なカテドラルは見当たらないんだけど、

街を望むのなら絶好の場所がある!

四方をアルプスに囲まれた谷間にある街グルノーブル。

ケーブルカーでバスティーユ山頂に登ってこそ、グルノーブルを見たと言えるもの!

低い場所にいると建物しか見えないからね。

 

フランス杯の初日は、明るい曇り空。

まあ、この日はチケットゲットとプラクティス、ショート観戦でいっぱい。

翌日は、山のお天気らしく、霧が街を覆っていたの。

それでこの日は美術館見学ともちろんフィギュアのフリー観戦!

3日目は朝より、青ーい空がピーと雨戸の隙間からホテルの部屋を照らしていたよ。

 

さあ今日こそグルノーブルを見るぞ!

 

でも張り切っている人はわたし以外にも一杯いた!

朝11時のケーブルカー始動時には、結構な列ができていたの。

観光オフシーズンなのに、人が多くてにぎやかなのはうれしいわ。

 

列に加わると、わたしの前はふたりの女性、日本人と西欧人。

こんな季節はずれの今日、グルノーブルにいる外国人って、

フランス杯目当てに決まっているじゃない? 話しかけてみたら、やっぱりそうでした!

スイス人の女の子はここでお別れ。

 

とってもかわいい日本人Tさんは、筋金入りのデニス・テン君ファンと判明!

おお、たしかにこれは場内で目にした応援バーナーではありませんか!

Tさんの手作りで、デニス・テン君の直筆サイン入りだった!すごーい!

Tさんは平昌にも行くんだって!うらやましいね!

 

話がはずむ中、わたしたちが前方を向くと、

すぐ前にいらっしゃる日本人と思しき殿方3名も、こちらを振り向いています。

ははあ、この方たちも?

あんまりフィギュアおたくらしくありませんが、

人はみかけによらないことも多いもの。

あるいは、巨大なカメラはお持ちじゃないからカメラマンじゃなく、

書く方のジャーナリストの方たちとか?

いくらお忙しくても、ケーブルカーに1回乗るくらいの自由はおありになるのか、

よかったこと!などと憶測しつつ、

「あの、みなさんもスケートのフランス杯にいらしたんですか?」とお尋ねしてみた。

「えっ?スケート?  いやいや、全然!」と驚いていらっしゃる。

 

(えっ、ではまたどうしてこんな季節に、こんなところにお揃いで?と思うわたし。)

すみません・・・。

 

実は、グルノーブルに学術研究にいらっしゃった日本人科学者さんたちでした!

 

そんなことで、日本人科学者3人とフィギュアファン2人の奇妙なグループは、

5人貸切の透明な球体のカプセルケーブルカーに乗り込んで、

いざ山頂のバスティーユに向かったのです。

 

5分で山頂に到着。なんと雄大な景色でしょう!

周囲に聳える1300メートルから3400メートル級の山と

眼下に広がるグルノーブル市街を、

11月にこんな素晴らしい青空のもとで満喫できるなんて!

 

「科学者がこんなこと言っちゃいけないんですけど、ぼく晴れ男なんですよ」

 

そうか!

このお天気は晴れ男S教授のおかげだったのです!

 

360度見渡せる展望台からは、くっきりと白いモンブランさえ臨めたよ!

偉そうに言っていますが、実はここグルノーブル大学に招聘されていらっしゃる

N教授がいろいろ説明してくださったの。

 

そしてO教授が、展望台から見えるイゼール河岸のドーナツ型の研究施設が

科学実験のための建築構造であることを説いてくれたわ。

サーキット型なのも、あの中に電気(だったかな?)を流動させて速さを変えたりして、

あれ?あの時は理解したのに・・。

お話にあいづちをうつだけで、

自分も少しアカデミッックになった錯覚を覚えて、幸せでした。(ばかね!)

 

時間はお昼どき。

科学者とスケートファンの一行は、展望台にある眺望レストランで

アルプスの山々を眺めながら、美味しい赤葡萄酒で乾杯!

11月とは思えない強い太陽の光と心地よい酔いの中、

かわいいTさんのフィギュア談義が続き。

 

しかし、その数時間後、フランス杯ガラ公演会場に、

写真撮影したり大拍手したりして、フィギュア・ファンさながらに、

スケート観戦に興じる3人の日本人科学者の姿があろうとは、

いったい誰が想像したでしょうか?

 

ピルエットのせいか、酔いのせいか、

グルグル頭の回っちゃう、グルグル・グルノーブルのフランス杯。

 

 

パション・パティナージュはファン以外の人たちまで

結びつけちゃうのでありました、の巻! でした。