かおっちゃん、こんにちは!
おたよりに、郵便みたいに時差ができちゃってごめんなさーい。
羽生君と松田華音さんの対談、拝見しました。小さい頃から一つのことを極めてきた人同士だからこそ、あれほど自然に、同じ奥深さで語りあうことができたのでしょうね。
松田さんもきしゃで二十歳とお若いのに、しんの強さも感じさせる凜としたたたずまい。
気持ちがきれいになるような、ほんとうに素敵な対談でした。
ところで、かおっちゃん、キャンデローロを忘れてたの?
日本開催の五輪だったからかわたしはこのフランス人スケーターは例外的に覚えているの。剣をふり回しながら(ほんとはもってないけど)乗りにのって舞うダルタニャン!
お祭りのように会場が沸いて、すごい臨場感。ちょっと笑っているようなくせのある顔、
マッチョな体型、わたしの好みと全然違う!
でもなぜか、まいったなー!と笑いながら感服させられるような、
憎めないすごいエンターテナーだった。
でもキャンデローロのスケートを見ると、隔世の感も感じるね。
今は羽生君たちによって、レベルが一気にぐんとひきあげられた。
そして、羽生君の織りなす世界は、あまりにも繊細で鋭敏、軽やかで奥深くて。
ひとつの音符が、羽生君の手にかかるとなんて美しく響かせられるのでしょう。
微かな動きの中にも、これほどの凝縮と集中を見るとき、わたしはふとお能のことを思ったりした。スピードこそ全然違うのに、究極を極めたものに目を見張らされている観客側の緊張した感覚に、共通するものを感じるからかな。
ねえ、かつてフィギュアの演技がここまで研ぎ澄まされたことなど、あったのでしょうか?そして、羽生くんがいる限り、周りだって、どんどん表現力と繊細さを磨かざるをえなくなるのよね。こんなに素晴らしい時間を共有させてもらえるなんて、わたしたちは幸せだね。 わたし、羽生惑星にはずいぶんおくれてやってきたけれど、
この惑星に響く、これまで聞いたことのない音や、知らない香りや風や温度など、
どんどん感じたいと毎日ドキドキしています。
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